彼に殺されたあたしの体

その音に隣にいる先生がホッとして肩を落とすのがわかった。


なにをそんなに緊張しているんだろう?


そう思いながらドアノブに手をかけ、引く。


ギィ……と重たい扉が開くような音と同時に、外の風が吹き込んできた。


さすがに寒い。


あたしはその風に首をすくめながら、先生と2人で屋上へ出た。


「わぁ……見晴らしがいいですね!」


この時あたしはまだ屋上へ出た事がなくて、丘の上に立つ学校からの景色を初めて目にした。


教室から見える景色はグラウンドが一面を支配しているけれど、少し上がっただけで街が見渡せるようだ。


冬になって雪でも降り始めれば、ここの景色はもっと綺麗だろう。


春の桜並木も、夏の星空も、秋の紅葉も。


ここから見下ろしてみたいと思った。