彼に殺されたあたしの体

その向こうにあるカーテンが半分ほど開いていて、雨が降り始めたことがわかった。


これから本格的な台風がきてしまう。


それはこれからのあたしと先生の未来を見ているようで、気分は更に落ち込んでしまった。


「美彩」


後ろから声をかけられて、あたしは振り向いた。


それとほぼ同時に先生があたしの体を強く抱きしめてくる。


先生のタバコの香りがすぐそばにある。


暖かな体温がある。


「先生……」


あたしは嬉しくて微笑む。


なのに。


次の瞬間、あたしは「ガハッ!」と、口から血を吐いていた。


胸から暖かなものが流れ出ているのがわかって、先生から身を離した。