彼に殺されたあたしの体

その顔は何も読み取れない冷たさを感じる無表情だった。


その表情にあたしは言葉を失い、部屋の中に沈黙が広がって行く。


その沈黙は時間にして数分くらいなものだったと思う。


けれど、重たい空気があたしの体を抑え込み、呼吸さえままならなくなり、視線はジッとテーブルの上へと伏せられていた。


膝の上でギュッと握りしめた両方の拳には、汗がにじんでいる。


そんな沈黙を破ったのは先生の方だった。


先生は無言のまま立ち上がり、カップを持ってキッチンへと立ったのだ。


いつの間にコーヒーを飲みほしてしまったのだろう。


そんなことにも気が付かないくらい、あたしにとって苦しい時間だった。


目の前に座っていた先生がいなくなり、少しだけ顔を上げる。