彼に殺されたあたしの体

アパートの階段は急で、錆びかけた手すりを持って歩いて行く。


2階の一番奥の部屋が先生の住んでいる場所だった。


ドアの前まできて【藤木】という表札を目にすると、なんだか嬉しくなった。


ちゃんと先生はここで生活をしている。


生活感のある先生はあまり見た事がなかったので、それが嬉しいんだと思う。


先生はブランドもののキーケースを取り出して、玄関のカギを開けた。


「さ、入って」


「お、おじゃまします」


あたしは緊張しながらそっと玄関を入った。


部屋の中には車と同じタバコの香りがしていて、あたしはフッと頬を緩めた。


ここは間違いなく先生の家だ。


そう思った。