彼に殺されたあたしの体

メイ?


どうしてここに?


そう思うが、言葉にはならない。


視界はゆがみ体が階段から空中へ浮くのがわかった。


あぁ。


あたし、落ちちゃうんだ。


あたしが落ちても、この高さならあたしの命は助かるだろう。


でも、お腹の赤ちゃんはわからない。


打ちどころが悪ければ死んじゃうかも。


無意識のうちにあたしは自分のお腹を両手でかばっていた。


生まれてくるかどうかもわからない命を、知らず知らず守っていた。


「美彩!!」


メイの声が聞こえる。


メイの慌てたような足音も。