彼に殺されたあたしの体

さっきまで心地よくふいていた風は強さを増して、そういえば今朝のニュース番組で台風が近づいていると言っていた事を思い出した。


あたしは灰色の空の下、やっとの思いで校内への入り口まで歩いて行った。


今にも足元から崩れおちそうになるのを、なんとか踏ん張って耐える。


屋上のドアはいつも以上に冷たく感じられた。


あたしはそのドアを開き、屋上から校内へと戻った。


悲しみのせいか、呼吸がひどく苦しくなっていくのがわかった。


ゆっくりと階段を下りながら、もしここで足を滑らせて落下し、流産したらどうなるだろうかと考える。


先生は心配してくれるだろうか。


あたしが言った事が本当のことだったのだと、信じてくれるだろうか。


そしてなにより、あたしの元へ戻ってきてくれるだろうか。