先生があたしから身を離し、ハッと呆れたように息を吐き出した。


人を見下すようなその仕草にあたしの心臓はドクンッとはねる。


ジワジワと背中に汗が出はじめて、予想外の展開に頭の回転はついていけなくなる。


しばらく黙っていると先生は胸ポケットから煙草を取り出した。


そして何の躊躇もすることなく、一本の煙草に火をつけたのだ。


紫色の煙が風にのってあたしまで届く。


「ちょっと……やめてよ!」


あたしは咄嗟に自分の口を鼻を手でふさぎ、煙を吸わないようにした。


それなのに、先生は……。


「やめろよそういう演技。みっともないぞ」