彼に殺されたあたしの体

浮かれているような、はしゃいでいるような声であたしはそう言った。


坂道を一気に登りきることができなくなったのも、体育の授業を休むようになったのも、妊娠していたからだ。


今は無理をしないほうがいい。


少しでも体が辛いと感じることは避けた方がいい。


そう思ったからだった。


生理が来なくなり、もしかしたらと思って一週間前に産婦人科を受診した。


そこのベテランおじいちゃん先生は、ほとんど表情を変えずどう見ても学生にしか見えないあたしを前にして、『３か月目だね』と言った。


何も返事ができずにいるあたしに、おじいちゃん先生は『相手やご両親とよく相談しておいで』と真剣なまなざしであたしに言った。


そして、今ようやく妊娠の事を赤ちゃんの父親である先生に告げたんだ。