彼に殺されたあたしの体

「美彩の方からメールしてくるなんて珍しいね」


彼、藤木悠利（ﾌｼﾞｷ　ﾕｳﾘ）があたしの腰に腕を回してそう言ってくる。


あたしたちは自然と体を寄せ合う体制になった。


学校内ではすれ違っても先生と生徒のフリをしなければいけない。


クラス内で公認となっているカップルを見るたびに、あたしと先生の違いを感じていた。


それでもあたしは先生の事が好きで、隠れていてもいいからこの関係を壊したくないと思っていた。


大人から見ればあたしの感情なんてまだまだ子供なのかもしれない。


ひと時の思い込みで人生を棒に付振ろうとしているように見えるのかもしれない。


それでも、今のあたしにはこれが一番の選択肢だったんだ。


だから、先生に唇を寄せられてもあたしは抵抗しなかった。


好きな人とのキスは体中が熱くなり、涙が出るくらいに嬉しい事だった。