神田君は彼女を守ろうとしているのだ。


身を縮めたくらいで助かる出来事ではない。


それでも、体の損傷を少しでも守るために彼女を自分の下へと引っ張りこんだ。


神田君が彼女の上になった瞬間、天井が杉田君の背中に降り注いだ。


大きな破片のそれは2人の体を潰していく。


ゴキゴキと骨が粉々に砕けて行く音。


2人の肉を引きちぎって行くミチミチという音。


やがて2人の肉片は1つの塊になった。


あまりに大きい天井の破片は彼らの厚みなど1ミリとも残さず、まるで元々床に置いてあったようにそこに鎮座していた。


あたしはその光景を見て気持ちがスッと軽くなって行くのを感じていた。