彼に殺されたあたしの体

でも、それは彼女の優しさなどではなかった。


あたしがスリッパへ履き替え、彼女があたしの上履を隠したタイミングで教室のドアが開いたのだ。


一斉にそちらへ視線が向かう。


入ってきたのはクラスメイトの男子だった。


背が高くて優しくて女子に人気な子だった。


「よぉ、おはよ」


「おはよう、神田君」


彼女が嬉しそうに神田君にかけよる。


あぁ、そうか。


神田君に今の様子を見られたくなかったから、彼女はスリッパを出してくれたんだ。


『ごめんね、ちょっとした冗談だったんだよ』


そう言って笑ってくれるかなと思っていた自分が情けなかった。


「あれ? 上履きは?」


神田君があたしの隣を通り過ぎる瞬間、そう聞いてきた。