彼に殺されたあたしの体

彼女たちにとってそれはいとも簡単に捨てられる過去だったのだろうか。


あたしは混乱する。


立っていることも困難で、グッと両足で地面を踏みしめていた。


その時、あたしの上履きを持った彼女が音もなくスッと立ち上がった。


咄嗟に身構えるあたし。


心臓は泊まりそうなくらいに緊張している。


「返してあげる」


彼女はそう言い、あたしにボロボロの上履きを投げてよこした。


上履きはあたしの腹部にあたり、そのまま床へ落下した。


あたしは嫌な汗をかきながらその上履きに視線を落とした。


無残に破壊された上履きは、これからの自分を示しているかのように見えて背筋が震えた。


「返してくれたんだから、履けば?」


取り巻きの1人がそう言い、あたしは思わずビクッと肩を震わせた。