「先輩の言ってる意味がわかりません」
そう言うと先輩はあたしの鞄を乱暴に奪って中をあさりだした。
「え？せ、先輩なにしてるんですか！？」
パニックになってるあたしをよそに先輩は鞄の中からクッキーをだした。
「……先輩、それ甘いですよ？」
だから先輩は食べれないんじゃ……
「ちげーよ。俺がこんな甘いの食うわけねーだろ。
お前が食うんだろ！」
「あたしですか？」
「じゃなきゃお前、チョコ食うだろ」
「……へ？」
意味が、理解出来ません。
「……嫌なことあった時に食うチョコなんだろ？」
「先輩？」
「そのチョコ俺のなんだからお前は食うな。お前はそれでも食っとけ」
「あ……あの～」
「嫌なことあったときはうまいもん食うのが1番いいんだよ。
お前にとったら甘いもんだろ？苦いもんなんてくってんじゃねーよ」
前はこのチョコ食べさせたじゃん、先輩。
なに考えてるかわからないけど、
その優しさがいまはすっとはいってくる。
