「てかお腹すきません?
お菓子たべます?」


空気を変えたくてあたしはかばんからお菓子を取り出した。


「いらねー」

「そうですか?それならあたしだけ~」


チョコを取り出す。

前に先輩にあげたチョコ。


このチョコはあんまり好きじゃない。
でも甘くないから嫌なことあったときだけ食べるの。

食べると不思議と、
少しだけ忘れるような感じがするから。



「えへへ、いただきま~………えっ!?」



手のひらにあったチョコはなくなって、
赤月先輩の口の中へ消えていった。


「いらないんじゃなかったんですか?
もうっ!ほしいならいってくださいよ」


あたしは文句を言ってかばんからまたチョコをだす。

でもすぐに先輩にとられて、
先輩の口の中へ消えていく。


「先輩……そんなにたべたいですか?」

「甘さ控えめでも何個も食えるわけねーだろ。それ以上食ったら吐く」

「え~じゃあ食べなきゃいいじゃないですか」

「俺が食わなきゃお前食うだろ」


そりゃあ……あたしが食べますけど。
いや……先輩が食べても食べますけど。