「観覧車乗ったのあたし初めてです」
どんどん高くなっていく観覧車。
でも不思議。
怖いって思わない。
「一生乗らないものだと思ってました」
「ふーん」
「きっと先輩とだからですね!」
「………」
高いとこなのに、
こんなにも怖くないのは
赤月先輩だから。
「今頃らぶらぶしてますね~」
「………」
「妃那と李久、
あたしの親友なんですよ。
妃那なんて、可愛いからあたしの自慢です」
「………」
「あたしなんて、
引き立て役ですよ~?
ほんと、悲しすぎますよね」
なんでだろう。
口が止まらない。
「あはは……あたし、
妃那になりたかった…」
なれるわけ、ないのに。

