カカオ80%な彼。



このチョコは苦くて好きじゃない。
だけど甘党のあたしがこのチョコを食べる時がある……。


「…嫌なこと、忘れるには……
このチョコが最適なんです」


でも今日はたべない。
もし涙がでたら、止まる気がしないから。


「それと、まあ一応この間失礼なこと言ったんですいませんの気持ちをこめて!」


そこまで言うと先輩は無言でチョコを受け取った。


「あたしもたべよーっと!
ん~どうしよう!!」


クッキーかな?チョコかな?
うーん、ぐみかな?



あたしが悩んでいると、


「わっ!!」


先輩に腕を捕まれて一瞬で向かい合わせに。


そして同時に口のなかに苦い味が広がった。


あたしがさっきあげたチョコだ。



「…先輩?これ、あたしがさっきあげたチョコですよ」

「……嫌なこと忘れるためなんだろ?」