カカオ80%な彼。

「ここにいれば?」

「え?」

「……嫌な事、あったんだろ?
ここにいれば?」


…あ。あたしちょっとだけわかった。
赤月先輩って冷酷で最低だけど、
こうゆう小さい優しさが
惹かれる理由なんだ。


「すいません。
……あ、そうだ!!」


あたしはスカートのぽっけからポーチを出した。


「お菓子たべます?
これ、あたしのお菓子ポーチなんです」


ポーチを開けると中からは大量につめてあった、
飴やらチョコやらクッキーやらがあふれでてきた。


「……なにこれ」

「なにって、お菓子ですよ?
みたまんまです!」

「いや、わかるけど。
俺甘いの無理だからいらねー」

「えー!甘いの無理なんですか?
先輩それ人生の半分は損してますよ!
じゃあ~そんな先輩にはこれあげます」


お菓子の山から1つを手にし、先輩に差し出した。


「……チョコ?
ばかじゃねーの?そんなあまったりーもんくったら吐く」

「大丈夫ですよ。
このチョコ苦いんです。
カカオ80%もつかってるんですよ!

あたしは普段食べないです。
あたし、甘いの大好きですから」