あたしは声を殺して泣いた。

多分学校で涙を流すのは初めて。
泣くときは家に帰ってお風呂に入る時だけ。

お風呂にはいりながらだと、
泣いた後がわからないから。


だって妃那と李久に泣いてたことばれたらきっと聞かれるから。


そしたらあたしはきっと、
ううん……絶対答えれない。




ガラガラガラーーーーー



え?うそ、誰か来た?
いつもなら人なんて来ないのに。



急いで涙をふいて、
机に顔を伏せて寝たフリをする。



もし……、
絶対ないけど、
もし……妃那達だったらどうしよう……。

もしここで、
いちゃいちゃしだしたらどうしよう……。



誰かわからないけど早く行って!!



そう願うあたしとは反対に扉を開けた持ち主の足音はどんどん近付く。

気付いたらすぐ耳元まで聞こえていて、
その足音はあたしの後ろで止まった。




………だ、だれ?