青空の下月夜に舞う

直ぐ様時計で時間を確認すると、時計の針は4時50分。

ヤバイよ。バイトは5時から。

バスで三個目だから間に合わない。
学校からバス停まで5分。
走って3分か?


「遅刻だ!ごめ……!祐也また明日……」

「送ってやるよ。田中内科前のパン屋だろ?正門じゃなくて裏で待ってろよ」

「え?は?何言って……」


話ながら颯爽と教室から出ていくのをただ見つめていた私。

送る?
どうせ遅刻だから歩こうって?

「意味不明……」

とにかく急がなきゃ。


地面を蹴り、駆け足で下駄箱に向かうと、上履きを乱暴に突っ込み、裏門へと足を向けた。


もしかして自転車?それなら助かるんだけどなぁ。

軽い考えで裏門に着くと、携帯がポケットで震えているのが分かって。


あ。着信祐也だ。

そう思った時、遠くから低いエンジン音が聞こえていた。

電話を取ろうとした時。

エンジン音が近づいて来ているのに気付いて、そちらに目を向けたと同時に通話に切り替えた。


「ゆう……」

『お。居た』


それだけ言うとプツリと通話は切れて。
目の前には単車にまたがる祐也の姿が。