え。
まじ?

だって祐也だよ?
髪赤いよ?荷物確認するために、人のパンツで判断するんだよ?


「麻衣……眉間に皺寄ってる」

「世も末って、この事だ。歩く下半身……」

「おい。誰が下半身で生きてるだコラ」


声がした方を見ると、階段を上がりきり、タバコを片手に話に入ってきた赤い髪。


「そんな事言ってねぇし」
「おはよー。祐也くん」


セナと私の声が被る。


「可哀想な女って思わせた方が得だろ?」

「意味分かんないし。そもそも、何で私が祐也を好きな事が決まって話は進む訳?」


ポケットからライターを出し、屋上隅にあるバケツ横に腰を下ろした祐也。

私たちからは、2メートルぐらいの距離。


「俺の女で、怖いお兄さん方に狙われるより、女から嫉妬じゃなく、可哀想、って蔑まれた方が、関わりを持たれねえよ」

「ま、一理あるよね。普通の生活送るならそれが一番じゃない?友達、で通じるならいいけど、変に女から反感買うと、余計ややこしくなる」


セナが言葉を足しながら私に向けて口を開いた。