青空の下月夜に舞う

下駄箱前で、やっと離された腕。


「じゃあね!」


そう言って、下駄箱前の傘立てに腰掛けた。

は……?
履き替えないの?

思ってはみたものの、裸女は相変わらずスマホに夢中。


じゃあね!って言われたし、私教室行っていいんだよね?

何か言われんじゃないかと思いつつ、サッと上履きに履き替えると、急ぎ足で廊下を歩いた。




――――カラカラカラ。

教室の扉を開けて、自分の席に向かおうとしながら。


「おはよ…………?」


伏せていた顔を上げながら放った言葉は、空中で疑問に変わる。


何故なら。

クラス中の視線が私に向いてたから。



え。

なんて言葉は出ない。


これが、私に降りかかっていた“噂”の“現状”。

直ぐに目は反らされ。


教室がまるで“異質”。