青空の下月夜に舞う

「あの……」

「何?」

「前見て歩いた方が安全なんじゃ……」


さりげなく腕を離して貰おう作戦。

だって女の子二人で腕組んで歩くんだよ?
例えそれがセナでも戸惑うんですけど。


なのに。

きょとん、とした表情を浮かべ、数秒。
次は、満面の笑みを私に向けた。


「大丈夫。私まみちゃん信用してるから。ほら、行こ?」

「あ、はい……」




なんだこれ。



笑顔に負けて返事しちゃったじゃん!


結局。

今日初めて会った女の人に、腕を組まれて誘導する羽目になった私。


ブログに書くネタ満載じゃん。

残念ながら、私はブログやってないけどね。



バレない様に、大きく溜め息をゆっくり吐くと、同じ制服を着た人達の流れに乗り、学校へ向かった。