「違う違う!眠れなかったんじゃなくて眠らなかったの」
手をパタパタさせて、否定する。
響の曇った表情に、疑問の色が広がり、……あ。と思った時にはもう遅くて。
でも、やっぱり本音を言うのは恥ずかしい。
「興奮してんのか?」
「ち!違うし!」
「ならなんだよ」
「いいじゃん。私が寝ようが寝まいが、響は気にしなくても!」
「気になるっつっただろ。この前」
「それは……!」
一瞬怯むけど、一息おいて、また口を開いた。
狼狽えている私に対して、一々冷静なのも私を焦らせる。
「偶然だよ、私喉渇いたからジュース買いにきたの。そしたら響が帰ってきたんだよ」
「そんな話はしてねえよ」

