「ひゃっ……」


足の力が抜けて、地面にヘタリこんだ。


「何やってんだよ」


面倒くせぇ、と聞こえてきそうな顔で、私との距離を詰めた祐也は、私の脇に手を入れて。


「ぎゃあ!」

「うるせえ!喚くんじゃねえ!」

無理矢理立たせるもんだから、胸に手!
当たってる!当たってるってば!!

下半身には力が入んないのに、上半身はやたら元気な私の体。

腕を離そうと、ジタバタしていた私の頭上から、


「落ち着けよ。Dカップなんて揉み慣れてるから大丈夫だ」

「何が大丈夫なのよ!しかも私Dって言ってなくない?」

「見栄張んな。Eじゃねえ」

「ふっざけんな!変態!」

「うるせぇ……」

呆れ顔を浮かべ、私を見下ろす祐也。だけど!立たせてなんて言ってない!

どうやっても抵抗する私に、諦めたのか、脇から手を抜くと、


「ほら、行くぞ」

手を握られて、引き上げる。

――さっきは力入んなかったのに。


踏ん張って立つ事が出来、祐也にそのまま手を引かれて、エレベーターに足を向けた。