「寝てなかった?」
「寝てた」
「起きたの?!」
「うん」
うん、て。
人間はね、眠り始めた時が、一番深い睡眠に落ちていくんだよ?
あんたどんだけ敏感なの。
フローリングにしゃがみこんだままの私に、かがんだ格好の響。
足元に目をやると、よく考えれば変な光景だよな、と。
変な笑いが込み上げてきた。
「眠れねえのか?」
頭上から、降ってきた声。
見上げると、切なそうに眉を曲げる姿。
さっき……海で見た時と同じだ。
「あんたはさ、私を捨てられた犬見たいに思ってない?」
「何言ってたんだ」
「例えばの話だよ」

