1つ息を吐いて、大きく深呼吸。
「おい」
電話を耳から話して閉じると、後ろから声がかかり、肩が揺れた。
そうだ。
コイツが居たんだっけ。
もう一度深く息を吸って深呼吸。
グッと握った拳。
振り返り、響に笑みを向けた。
「ごめ、電話してた」
普通に。
いつも通りに。口を開いた、けど……
響の表情は、困った様に眉を曲げ、口は固く結ばれている。
「お前……なんて顔してんだよ」
苦しそうに話す姿に、胸がチクリと痛んだ。
あんたこそ。
そんな顔しないでよ。
普通じゃいられなくなるじゃん。
甘えたくなる心。
必死に溢れるものを塞き止める。
「何が?あんたこそ。お腹でも壊してんの?」

