その時。不意に肩を叩かれ、反応して振り返ると。
「おい、今から……」
響が私の後ろに立っていて、何かを言おうとしたけど、私の顔を見てハッとした顔をして。
あ……そう思った時にはもう遅くて。
『麻衣。今何処に居る』
地を這う様な低い声。
雄大の威嚇する声が、目の前にいるわけじゃないのに背中に冷や汗が伝う。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
何て言えばいい?
また、私のせいで迷惑かけちゃう?
頭をぐるぐる回るのは嫌な事ばかりで。黙りこむ私に聞こえた次の声は、予想に反したものだった。
『麻衣?大丈夫だから。“約束”守ってるんだよな』
カクカクと。首を振りながら、
「うん。嘘じゃない。本当に……」
私の声に、クスリと笑う声が聞こえて。

