青空の下月夜に舞う

『ちょっと待ってね~』


そう言うと、電話の向こうに居るであろう人に、裸女が話をしている。

家までは、車通りもあるし、物騒だったり怖いと感じる事はない。


けれど、電話で誰かと話ながらだと、いつもより早くついてしまう気がする。

きっと安心感からなのか、余計な事を考えなくてもいいからなのかもしれない。


『麻衣ちゃん今から時間ある?』

「へ?」

『花火しよう!花火!麻衣ちゃん見てないんでしょう?』


どうしてそんな話になるのだろう。


「あの、美咲さんは元々どんな用件で……」

『花火大会で、焼き鳥買いすぎたから一緒食べないかなって。イカ焼きもあるよ~』

「け、携帯変えたんですか?」

『ううん。私の充電切れたから、これ慶太郎の』