スライドドアが開き、中から出てきたのは、さっき逃げた男の人と。


「お前……ほら、乗れ。隼人大丈夫か?」


赤い頭の祐也だ。
呆れた顔を浮かべ、私に告げた後、座り込んでいる男の人の脇に手を入れると、体を支えて起き上がる。


「祐也、私家近いから……」

「知ってる。乗れ」

「……」


チラリと先程の男の人を見ると、

「もう警戒解いていいんじゃない?」

と。イタズラな笑み。


違うし。そういう意味じゃないし。


「巻き込まれるのが怖いならしかたねぇな。それなら最初から首突っ込むなって話だ」

祐也が冷たく言い放つ。
私の横を通り、男の人を車に乗せた。