ポケットからスマホを取り出した男の人は、何やら打ちこんでいる様で、警官が居なくなった今、もう行った方がいいのか迷う。
じゃあ、って言うのは変?
つーかここまで考えてなかった。
スマホ操作が終わらなかったらどうしよう、と考えていると。
「ありがとね。で、ついでに甘えていい?」
「え……?あ、はい。私でよければ」
「ダメだよ。簡単に信用しちゃ」
笑いながら、私に告げる。
なんだよ。言ったのはそっちじゃねえかよ。
不機嫌な顔になったのは無意識。
すると、やはり笑われ、私はどんな顔をしたらいいのかすらさえ戸惑う。
「ちょっと手貸してくんない?」
「……嫌です」
「お。警戒し出したね。良い傾向じゃん」

