「根性あるんだね」
「!!」
振り返ると、笑みを浮かべている男の人。
「い、いやいやいやいや」
「ははっ!何回言うの」
「はぁ……だって……」
「イメージと違うんだね」
え?
男の人の言葉に、目を丸める。
今だ地面に座っている男の人。
私は見下ろす様な形になっているから。
「なんでしゃがむの?」
「いや、何となく、です。」
私の行動がおかしいのか、眉を曲げて笑う。
黒いTシャツにデニム。
よく見ると、拳が赤くなっている。
「関わりたくない、って風に見えてたから。慶太郎くん家で見た時。あんま目合わさないし」
「いや、あれは……」
「ははっ、正解?」
まぁ。確かに、関わりたくないってより、出ていきたいって気持ちが大きかったし。

