青空の下月夜に舞う


「こんな路地でする話じゃないだろう。早く帰りなさい」

「はい。今さっき親が車で迎えに来ると言われたので、待ってます」



喧嘩現場でなかった警官の出る幕はなく。
立ち上がり、頭を下げると、小さくなっていく警官の背中に安堵の息を漏らした。


信じてもらえて良かった。

男の人を、立ち上がらせて、歩かなきゃ行けなかったら。

もし足を引きずったりでもされたら、怪しまれるかもしれない。


見た目は関係ない、とはよく言うけど。
大人程、見た目で判断する生き物は居ない。

私だって、クラスメートでなければ、祐也と仲が良いはずがないし。


警官が、完全に見えなくなった所で、男の人に大丈夫だと言おうと振り返った。