青空の下月夜に舞う

一瞬。和やかな雰囲気が流れた。

痛々しい見た目だけど、一先ず笑ってる事に安心し、無関係な自分は場違いな気がして、立ち去ろうかと思っていると。


「こっちです!喧嘩!こっちこっち!」


その声に、私は二歩後退し、通りに目を向けると、女の子二人と、その奥に。


「警察……」


ポツリと、呟いた私の声を拾った二人は。

「立てるか?」

壁に寄りかかり、鼻血の男が立ち上がる。


「行け、お前だけ。俺走れねえ」

「は?行けるかよ!ほら、肩」

「間に合わねえって。行け」

「隼人!!無理だって!」


早口で言い争う二人。だけどもう近くに……



「わ、私が盾になります!」


三人だとややこしくなる。だけど二人ならまだ……なんとかなるかもしれない。