「あ、の……」
大丈夫ですか、はおかしい気がして。そのさきの言葉が見つからない。
相手もそれは同じな様で、見つめあったまま固まる私達。もう一人の男も、仲間の異変に気付いたのか、
「何……?どうしたの?」
眉間に皺を寄せ、上体を起こす。
鼻血に、口の中は真っ赤。
ある意味ホラーだ。
「や、この子、祐也くんの……って。お前大丈夫かよ」
「歯折れた」
プッと何かを吐き出した。恐らく歯なのか、な。
グロテスクな物はあまり見たくないのが本音で、暗くて良かったと心の中で安堵する。
けれど、顔見知りの人の額には汗が滲んでいて。
「お前汗すげ、」
「うるせえ。暑いんだよ」
二人は何故か眉を曲げて口角を上げる。

