青空の下月夜に舞う


「あ、の……」


大丈夫ですか、はおかしい気がして。そのさきの言葉が見つからない。


相手もそれは同じな様で、見つめあったまま固まる私達。もう一人の男も、仲間の異変に気付いたのか、


「何……?どうしたの?」

眉間に皺を寄せ、上体を起こす。

鼻血に、口の中は真っ赤。
ある意味ホラーだ。


「や、この子、祐也くんの……って。お前大丈夫かよ」

「歯折れた」


プッと何かを吐き出した。恐らく歯なのか、な。

グロテスクな物はあまり見たくないのが本音で、暗くて良かったと心の中で安堵する。


けれど、顔見知りの人の額には汗が滲んでいて。


「お前汗すげ、」

「うるせえ。暑いんだよ」


二人は何故か眉を曲げて口角を上げる。