青空の下月夜に舞う

そして。

異変に気付く。


行き交う人の波は、一見何の変わりもない風景。


しかし、ある場所を、人がチラチラ見ているんだ。

も、しかして。


私は足早にそちらへ向かう。



人通りが多い場所から三歩程。路地に入った場所。

そんな所でやんなくたって。



倒れていたのは二人の男の人。しかも、


「あ……」


私、この人見た事ある。
二人の顔を確認すると、一人は慶太郎の家で何度か見た事がある顔。

痛みに顔を歪めていたその人は。私の気配に気付いたのか、


「何見てんだよ……っ!……あ」


凄みながら、視線をこちらに向けた時。
何かに気付いた様な声を上げた。