青空の下月夜に舞う

体を起こし、玄関に向かうと、靴はなく。

郵便受けを開けたら、裸の鍵が。


冷蔵庫の上にいつも鍵を置く私。

ツードアで、上に何かを置くにはちょうどいい高さの冷蔵庫。


その“何か”さえ、我が家にはまだなく。

鍵を置くだけの場所になっている。


携帯を開くと、ちょうどお昼時。

瞼の重さに、ベッドに舞い戻った私は、天井を仰ぐ。



そう言えば。

初めて響に謝られたのは、ダーツに負けたって時だったけ。

あの時も私喚いてたし。


あいつと居ると、全てが忙しく回る。


大丈夫、を繰り返し、私の背中や髪を優しく撫で続けてくれた響。

今までは、自分自身を落ち着ける為の、呪文の様なものだった。


自分ではなく、人から言われると凄く安心した。