青空の下月夜に舞う

二人にかけられた布団が擦れる音でさえ、私をドキドキさせる。


「こっち向けよ」

「やだ……っ。だって私変な顔……」

「元から整ってねえよ。こっち向け」


し!失礼にも程があるんじゃないの?!
あんたは確かに綺麗な顔してるけど、私女の子だよ?

意地でも向くもんか、と。
無視していたら、


「やっ……っ!」

「ほら。顔はかわんねえよ」


響の腕と足で。無理矢理正面を向かされた。

嫌だっていったのに。
やっぱり私の言うことは聞いてくれない。


「女って、計算高いと思ってた」

「……は?」

「慰めて欲しいから泣くんだろ。なのにお前はキスもしてこねえ」

「!!」


切れ長の目。
ストレートの前髪が、ハラリ。
重力に負けて、響の白いおでこを撫でる。