青空の下月夜に舞う

ガランと、している部屋は目のやり場に困る。

ベッド。
洗濯機。

床の上の、スマホ。私の鞄。

テレビも、時計もない。
机もない部屋は、気をまぎらわせてはくれない。


来るって言ったらどうしよう。

拳を握る手に、更に力がこもった。



『そっか。なら邪魔しちゃ悪いね。麻衣、友達は大事にしなきゃダメだよ?』



雄大の答えに。胸を撫で下ろす。


「……う、うん」

『もしかして、来ると思った?』

「い、いや……」

『分かりやすいなぁ。麻衣は。でも……俺との“約束”守ってるよね?』

「……うん」

『なら安心だ。おやすみ麻衣』

「おやすみなさい。」



プツ、と。切れた通話に。
全身の力が抜けた気がして。

その瞬間。ハッと我に返ると、部屋中を見渡し、ちゃんとカーテンがされている事を確認すると、今度こそ安堵の息を漏らした。