青空の下月夜に舞う

鞄から再び響に視線を移す。

……動いてない。



顔をゆっくり覗き込むと、瞼は閉じ、睫毛が影を作っている。


私は鞄へと足を向け、中から携帯を取り出すと、振動音は切れ……――またも。

手の中で震え出した。


折り畳みを開き、確認すると。




【着信;雄大】




何でこんな時に――……っ!

一瞬息を飲んだけど。
出ないわけにはいかない。


雄大の名前を見るだけで、胸がこんなにも苦しくなる。


もう一度、響を見て。
動いてないのを確認してから、通話ボタンを押した。



「もしもし……」

『何で電話に出ないの?』



出た途端。
放たれた言葉は、見事に私の頭を冷たく冷やす。