「眠れねえだろ。そんなに怖がって。一緒に居てやる」
「……」
「何だよその目は。何もしねえよ」
睨む様な顔をしていた私は、至近距離で凄まれたり、笑われたり。
響って、こんなに表情豊かだったっけ。
数秒睨んだ後。
「絶対覗かないでね」
「裸見られて、何で恥ずかしいんだよ」
ボソボソと、不思議がる響だったけど、私は素直に部屋着を手にしてお風呂に向かった。
少し温めのシャワーを浴びて、タオルを頭に巻くと、部屋に戻る。
そこには、私のベッドに横たわる響の姿。
まさか、こんな短時間で寝ないよね?
もし寝てたら、先程の事もあるし、起こすのも悪いなって思ってたら。
部屋にまたも、振動音が。
今度は私の鞄から、だ。

