青空の下月夜に舞う

「手。震えてる」


無意識だった。

あ、と言葉が落ちる。



「怖いとかじゃ……」

「俺はこれが、“普通”だ。だけど、お前が居る世界はそれが“異質”。当たり前だよな」


いつもと雰囲気が違う。

表情が。少しだけ寂しそうで。

でも、違う、の言葉をかけてあげられない。


だって。今言った響の言葉は、間違ってなんかない。

暴力が日常、なんて。私はまず周りにない。


けれど……


「私は、少しなら。理解出来るのかも」


ポツリ。
呟くように言った一言で、響が漆黒の目を向けたまま。私に問う。



「原嶋、雄大か……?」





ドクン、と。

大きく心臓が波打った。