青空の下月夜に舞う

「ちょっと、こっち来て。はい、タオル」


響にタオルを手渡し、物がないから、無駄に広く見える部屋の中心に腰を下ろすと、鞄から絆創膏を出す。


「準備いいな」

「焼肉屋で働いてると、たまに油飛んでくるから」


携帯救急セットは持ち歩いている。

右の拳に三枚。絆創膏を貼り、頬に赤い筋が浮かんでいて、ソッと撫でた。


ピクっと動いた響の肩。


「貼る?ここも。いらない、か……」


きっと羽交い締めにされた時かな。

大振りに響に拳を放った男達だったけど、当たってなかったから。




触れた手を引っ込めようとした、けど……



「俺が、怖いか?」



その手を掴まれ、真っ直ぐ向けられた瞳。

体は固まり、まるで時が止まったのかと、錯覚する。