青空の下月夜に舞う

「逃げるぞ」


「……へ?は、はぁ……?」



私の目を見てはっきり告げた。

周りの男達を無視して、私との距離を詰めたのは。


「ひ、響、あんた逃げるって何で私まで……」

「捕まりてえのかよ」

「んな訳ないでしょう?」



本当に今まで人を殴ったり蹴ったりしていたのか、と思うくらい、いつも通りシュッとしてる。

どこ行くの?
逃げた方がやっぱりいいんだよね?


何より、取り残される方が怖いかもしれない。
そう思い、歩く響の背中を追った。


逃げる、って言うくせに、全然急いでない様に見える。

走らなくていいの……?



二人、並んで歩く。

こんな時。どう話すればいいのか分からない。

何より、さっきの響の姿が脳裏に焼き付いている。心臓の動きは未だにおかしい。




歩道から、裏道にはいった、その時だった。


遠くから聞こえる、サイレンの音。



――――パトカーだ。