黒色女子を個人授業

「あれは性能的に無理があるからダメだって、俺言いましたよね!?」

俺が少し強い口調で問い詰めると

「仕方ないんだよ。客があれで気に入ったって言うんだもん」

山田さんはいかにも自分が被害者ですといわんばかりに肩をすくめた。


よく言うよ。どうせ断れなかっただけだろう。

彼は身内に強気なくせに、客に対してはめっぽう気が弱いから困る。

すると彼は申し訳なさそうに、だけど、どこか太々しく言った。

「そこを何とかするのが酒井くんの仕事だろ?」

その口ぶりにカチンときた。

他人事みたいに言いやがって。

どんだけ大変だか分かってないだろコイツ。

苛立ちを隠しながら俺が曖昧に返事をすると

じゃあよろしく、と山田さんはへらへらしながら去って行った。

能天気な後ろ姿。殺意を覚える。


やれやれ。

しばらく残業になりそうだ。