黒色女子を個人授業

「美味しいですねー、この手羽先」

私は店で一番人気と称される味付けの手羽先を頬張った。


「花山さん、手羽先の正しい食べ方って知ってます?」

「え? そんなのあるんだ?」

「関節を引っ張るんですよ」

「あっ! すごい! キレイに取れた」

見事に肉と骨を引き剥がすことに成功した滝川くんは、自信満々に頬張った。

「ばっちり下調べしてきましたから」

「その熱意が仕事にも向けられると良いね」

私は笑顔のままこっそりと嫌味を含ませる。


「おーい、ビール」

今井さんが通りすがりの店員に向けてグラスを掲げた。

「ちょっと今井さん、飲みすぎないでくださいよ。
明日もあるんですから」

「わかってるって」

そういって、グラスに残っていたビールを一口で飲み干した。