黒色女子を個人授業

「父兄リレーに向けて体作らないと」

今井さんが走るポーズをした。

「えっ!? 今井さん走れるの?」

私は疑惑の目を向ける。

「当たり前だろ? 去年なんてダントツ一位だぜ?」

「やだなあ、いい年して張り切っちゃって」

「おい、まだ俺そんなに年でもないぞ!?」

「30代後半は年だよ?」

「まだ半ば!」

大して変わんないよと思いつつ、そこは譲れないポイントらしい。

私は思わず吹き出してしまった。


と、踵に強い痛みが走って、思わずよろめいた。

靴擦れだ。ずっと我慢していたんだけど、ここにきて耐えられないレベルの痛みになってきた。


「……ごめんなさい、今井さん、ちょっと」

歩みを止めて難しい顔をする私を今井さんが心配そうに覗き込む。

「どうした?」