黒色女子を個人授業

やがて、列車は徐行運転で次の駅へ辿り着き、停車した。

ドアが開いてそのまま、動き出す様子はない。


しばらくして、復旧の目処がたっていない旨のアナウンスが流れた。


今井さんが落胆の声を上げる。

「人身事故だし、動くまで結構かかるかもな」

私はがっくりと肩を落とす。

「あと1駅なのに」


「1駅くらい、歩けないのか?」

彼の問いに、私は気乗りしない声で答える。

「20分くらい歩けば帰れるんですけど」

「それくらい、歩けばいいんじゃね?
動き出すのを待ってたら、もっとかかるかもしれないぞ?」

「いえ、そうじゃなくって」

私はため息をつく。

「道が、人通りのない住宅街だから。街頭も少ないし。
夜、この駅からはひとりで帰りたくないんです」