黒色女子を個人授業

「最悪だ。三が日すら休めないなんて」

今井さんが椅子にぐったりと身体を埋めながら呟いた。

「さすがに元旦はやめておきました」

「当たり前だろバカ!
嫁と子どもを実家に置いて、俺だけ東京にトンボ帰りしてきたんだぞ」

「ご苦労様です」

大城さんがコートを脱ぎながらゆったりとした口調で答える。


「おはようございます」

私がそう言って自分のデスクに荷物を下ろすと、二人が気がついた。

「明けましておめでとうございます」「あけおめー」


そうだった、新年一発目の挨拶! と私は慌てて二人へ向けてお辞儀をする。

「明けましておめでとうございます」

丁寧に挨拶する私に大城さんが微笑みかけてくれた。

「悪いね、新年早々借り出しちゃって」

それを聞いていた今井さんが気怠そうに呟いた。

「……あー、俺にはそういう労りの言葉はないのかねぇ」

大城さんは無視してデスクへと向かう。