キミへの想いを10文字で。

『…………』


「?今なんか言った?黒川君」


「いや、ずっと話してますけど?」


ああ、そうか。


『…………っ!』


あれ?


「ほら、なんか……」


ぎこちないあたし達の間を縫うように、確かに何か聞こえる。


あたしの言葉を受けて、黒川君も耳を澄ますような素振り。


『…………かぁっ!』


確かに、何か聞こえる、という方向を、黒川君とあたしが同時に振り向くと、


「いーーーーちーーーーーかぁあああああ!!!!!」


え…………うそ…………


そこには、遠くからあたしの名を叫びつつ自転車を全速力で漕いでくる翔琉の姿。