「…あ、俺そろそろ帰るわ。ごめん」 唐突にカイがそう言って立ち上がり、 通学カバンを肩にかけた。 「…じゃあ、私も」 私もカイに習って 腰を浮かし、通学カバンを持った。 視線が高くなって、より一層、 景色が見渡せた。 私が街を一望していると、 いつの間にかカイが屋上の扉に 移動している。 「なー、一緒に下まで…」 「あぁ、うん…」 カイに歩み寄り、そばに立って 軋む扉を閉めるのをみていた。